溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~


「信じているとしたら、何か違うんですか?」

「可愛がりたくなるんですよ。そういう女性を。金をいくら使ってもいい。他の男の手中に収まる前に、味見したいと」

「……味見ってどういう意味ですか」

「そのままですよ。貴女と恋がしたかっただけです。碧といても、たまに飽きるでしょう?真逆のタイプの女性が現れたから、手を出してみたんですよ」


 見事に騙されていた。雨賀碧が言っていたことと記事が真実だったのだ。
 もしかしたらと思っていた感情が憎らしい。彼への想いが一気に冷めることなく、傷口から思い出が湧き出てくるようで……。



「最低な男と罵っていただいても結構。週刊誌に話を売ってもらっても構いません。私の力でもみ消しますから、貴女もわかるはずですよ。世の中の力関係は、そうそう変わらないって」


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