溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~



 適温で張ったお湯につかる。

 猛暑と冷房で疲れている身体に、お気に入りのアロマバスが染み入るよう。深呼吸してぼんやりすると、どこからともなく葛城社長の顔が浮かんできた。


 気持ちだけで十分と言われたって、収まりが悪い。

 もし誘いを断られなかったとしたら、今ごろはまだデートをしているかもしれない。

 そして、後々ながらも告白されて嬉しかったと気づいたように、最中は楽しくて嬉しくて、笑ってばかりで過ごすに違いない。

 言いたいことを言って。

 社長を尊敬できて。

 いやらしさのない自然なふるまいの一々に、視線を奪われちゃうんだろうな。



 ……さっきから。

 うぅん、ここのところしばらく。


 社長のことばかり考えているかもしれない。



 私、社長が……



「好き」


 お湯につかりながら2文字を呟いたら、自覚の無かった想いで胸が苦しくなった。


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