溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
振られた身だと時々言っていたから、それを気にしていないとも限らない。私の失恋を気遣ってくれていることも分かる。
みなとみらいのジンクスも、屋上のひとときも、昨日のことも。
全部、社長の片想いがさせたこと。私はそれに応えないと返事をしているから……都合よく、誘ったり誘われたりなんて、あってはならないことなんだろうか。
特に予定がないのは、周りが幸せだから。
乃利子は出張中、里美と春華は合コン。私も誘われたけど、合コンで初対面の男性に祝われるのも、何だか違う気がして断った。
1人で過ごしても友達が祝ってくれても、1日の終わりにあぁ今年も楽しかったなって、そう思えるだけ幸せだ。
帰りに狙っていた靴を買って帰った。桃園さんが買ってくれた高級な靴の隣に並べても、遜色なく美しい。履くのは私ということは、価値を決めるのも私だ。