溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
「思い出させるつもりはないんだけど、もう平気?……本当は、またいつか取引するつもりでいたけど、こうなるともう絶縁するしかないって考えてて……」
「平気ですよ。いつまでも引きずってしまうほどの思い出はなかったみたいです」
「さすが、塩対応だね」
「……」
私にもう少し愛想があれば、いろいろ変わっていただろう。
恋愛のチャンスも広がっていたかもしれないし、社長との関わりかたも違っただろうな。
「桃園さんはどうしてあんなことをしてきたんでしょう?」
「……俺を嫌ってるからだよ」
そんなことで会社を巻き込み、社会の一端を動かそうとしたなんて信じられず、怪訝を隠すことなく社長を見つめた。