溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
「頼むから助けてくれって、会社の再建に必死になる姿が見たかったのかもしれないし、関連企業を奪って事業拡大の未来を潰しておきたかったのかもしれないし。
だから、白埜さんに手を出して、俺の情報を得ようとしてた。記事にして騒動を起こして、面白おかしくプライベートを明かしてね。
……残念ながら、俺も白埜さんもブルーメゾンが好きだから、その点は難攻不落だっただろうし、最終的に俺も手加減なしで思いきりやらせてもらったから、桃園社長の今後を揺るがしてしまうかもしれない」
「そんなに?!」
「仕事ですから」
あぁ、そうだった。彼は社長で私は社員で……その一線を越えてはならないんだった。
彼が守る社の行く末、そして今日までの出来事の核を知ったら、根本的なことを忘れそうになっていた。
それほどに、彼に夢中になっていたいんだろう。
ひとときでもいいから、彼の大切な人になりたい。