溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
「笑ったり怒ったり……泣いてる時も。千夏ちゃんの全部が好きだよ」
久しぶりに名前で呼ばれて、心臓が大きく跳ねる。
紅潮する頬の熱さは彼の想いに満たされ、私も好きと想いを告げるように頷いた。
「おいで」
彼に迎い入れられるまま、その胸元に身体を寄せる。
大好きな人の香りと温もりが心地いい。屋上で過ごしたあのひとときより、ずっとずっと幸せだ。
「ヤバいな……思ってたよりドキドキする」
耳元で呟かれた彼の心中に、私の鼓動まで煽られてしまった。だけど、彼も同じようにこの時を噛みしめていてくれていると知ったら、もっともっと触れたくてたまらなくなる。
大きな手で髪をなでられると、緊張しているのに、ずっとこのままでいたくなった。
「そろそろ帰ろうか」
数分後、ゆっくり離れて立ち上がった彼を追う。まだ触れていたくて、その背中に駆け寄ると、私からそっと手を繋いだ。
「よかったら、これからご飯にいきませんか?」
「そうだね、何が食べたい?」
って、話している間ずっと彼は顔を背けるようになった。
私から手を繋ぐまでは、あんなに見つめてくれていたのに。