溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
「待って」
デスクのPCで開いていた取材原稿を、乃利子がまじまじと見つめ始めた。
「ちょっと、ちょっと、ちょっと!!!」
突然テンションを上げた彼女は、騒ぎたい気持ちを抑えながら私の腕をペンペンと叩きだした。
「これ、この鳥!」
「あぁ、気づいた?やっぱり」
「気づくに決まってるでしょ、この存在感ある輝き!」
面倒なことになった。
乃利子ですら、この騒ぎようだ。実際にこの原稿が掲載された本が発売されたら、社内の女子はもれなく話題にするだろう。
そして、私と社長の関係を疑うのだ。面白おかしく、あることないこと……ないことが90%の割合で噂を立てるに違いない。