溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
「発売後ですからこれ以上のご対応をお願いするのも申し訳ないので、今回はこれで結構です。ご無理を申し上げまして、失礼いたしました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします」
折れるしかない。
早速、デスクに飾っていた鳥さんを化粧箱に入れてしまおうかと思ったけれど、逆に堂々としていた方がいいかと思えた。広報に出入りする人間には見られているし、不死鳥と名付けられるほど広まっている。
変に動きを出さないほうが得策かもしれない。
「白埜さん、社長からです」
「ありがとうございます」
外出中の葛城社長からの連絡を受けるのも、別に変わったことじゃない。
それなのに、どれだけの人があの写真を見て、鳥に気づいたのかと思うと、気が気じゃないのは確かだ。