溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~


「お話を変えて申し訳ありませんが、先日のお返事をいただけませんか?」

「……今、ですか?」

「ええ、今です。今回の失態も含め、個人的にお詫びのデートをさせていただけないでしょうか」


 いくら私が塩対応だと言われても、嬉しいものは嬉しいし、笑いたい時は笑う。
 無駄を感じる愛想を極力省く性格が、周りと違うだけだ。


 口角が上がり、心拍が乱れて熱くなっていくのは、恋をする準備ができているから?



「それでは、お言葉に甘えさせていただきます」

 言葉と心に秘めた温度は大きく違うけれど、誰にも悟られることなく約束を交わした。



 今週末、目黒駅前で待ち合わせ。

 待ち合わせなんて、いつぶりだろう。

 こんなにときめくイベントだったことさえ、忘れかけていた。


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