溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~

「だけどね、今回ばかりはあの写真を使ってよかったんじゃないかって思いますよ。葛城社長が気に入るのもわかるんです。モデルがいいから、どれもいい写真でしたけど、あの1枚はとっておきと言ってもいいんじゃないかな。本当なら表紙に使っても良かったくらいの出来なんですよ」

「そんなにいい写真なんですね」

「葛城社長も男前に写っているし、会社の雰囲気も垣間見えるようなカジュアルさが滲み出ていました。それと光の入り具合とか角度、背景をピンボケさせずにくっきりとさせたのも“彼とブルーメゾンさんの今”が見えると思うんです」

 熱心に語る桃園社長は、身振り手振りを交えて渋滞の車内の空気を変えた。


 派手で社交的な人だけど、仕事に対するモチベーションも人一倍。
 休日だってファッションから車、細く流れている音楽に至るまで抜かりない。


「桃園社長は、いつでもなんにでも全力で向き合う方なんですね」

「じゃなきゃ、生きてても楽しくないでしょう?全力でやったほうが、結果も大きいからね」

 うちの社長は、何を考えているのだろう。
 こんなふうに力説することもないし、仕事だって緩くマイペースで進めている感じがする。天才肌と世間で言われているだけあって、その感覚は5年勤務していても分からないところがある。


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