溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
「あの、ご用件は」
「もう済みました。忙しいところ呼び出してごめんね。引き続き頼みましたよ」
最新機種の携帯を操作しながら、私に素っ気なく背を向けた社長に一礼して後にした。
私が桃園社長とおつき合いしていると言ったら、どんな反応をしたのかと考えてしまう。
社長の早とちり込みの祝福を投げつけられている時、少しも嬉しそうじゃなかったのだ。
結婚するんだね、よかったじゃないって言ってくれているわりに、とても冷たくて……ポーカーフェイスのままで。
いくらなんでも、社長だって喜怒哀楽はハッキリしているほうだ。もしかしたら、私よりもそうかもしれないのに。
――やっぱり、葛城社長は何を考えているのかよく分からない人だ。