溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~

 かといって、気にはしている。

 27歳にもなれば、周りには早々に結婚した友人の子供だっていて、親も帰省するたびに様子をうかがってくるのだ。




「雨賀さんなら、今度うちに来るよ。社長と対談しながら、商品を推してもらう感じの取材をしてもらう予定だから」


 一気に沸き立った彼女たちを横目に、引っかかったままの“結婚”を処理する。

 もし、いま誰かと結婚する予定があるかと聞かれたら、自信を持って答えられるような相手はいないけれど、もしかしたら……。




「次回予告見た?付録が充実しすぎじゃない?」

「これは上手い広告出してるね。千夏もそう思うでしょ?」

「え、あ、うん……そうだね。買ってみたくなるかも」


 頭の中で、結婚と桃園社長が並んでいて、私らしくないと思った。


 もっと冷めてたはずなのにな……結婚観。
 適齢期になっても、興味なんて持たないって、そう思ってたのに。


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