溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
紹介された社長は、設けられた席で求められるコメントを返している。
経済や政治などについてのニュースが先に流れ、始まって30分を過ぎたところで芸能ゴシップのコーナーに変わった。
「今日に限ってご出演されている方の記事が出ておりますが――」
司会者の進行で、社長と私の記事が拡大されたものになって紹介されている。
「本当にお騒がせしております。こうしてメディアに出させていただいていますが、私はタレントでも何でもないので、あまりプライベートを詮索されても困るんですけどね」
ポーカーフェイスではない真剣な面持ちと、わずかな微笑みを見せている社長の対応をタブレット越しに見守る。
「一緒に写っているのは弊社の社員です。記事の内容は、それ以外すべて事実と異なるものです」
「でも、掲載許可を出されたわけでしょう?」
意地悪な司会者が、根掘り葉掘り聞く準備ができていると言わんばかりの笑みを浮かべている。