呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
「あれ?カラーは嫌い?」
「いえ……そんな事ないです」
「三田村様の誕生花だって聞いてます」
そう。
雄大はやっぱりそんな認識しかないんだ。
ぎこちなく苦笑を浮かべると、薫子さんが「そうそう、」とにやけながら顔を近づけてきた。
内緒話でもするみたいに。
「あのね、雄大から聞いたんだけどカラーにしたい理由。貴女の誕生花だってお花屋さんに聞いたとき花言葉も調べたんだって。あの雄大が顔を真っ赤にして話してたの。面白かったわー」
ええっ!花言葉!?
「後、カラーの花をみて貴女にそっくりだって思ったんだって。花束みたいに色んな花に囲まれていても存在感のある姿は園児に囲まれているみたいで。一輪で飾ってみても凛とした美しさがあるって」
あっはははははー酔わして吐かせたのよ、なんて豪快に笑う薫子さん。
聞けば聞くほど顔が赤くなる。
「あの子ねー男子校でしょ?ちょーっと私達が女子の生態を面白おかしく植え付けちゃったせいであんな子になっちゃって。
ごめんなさいね。
外見だけはいいのにねー。
硬派を気取って面倒臭い子だけど、乙女みたいに貴女のこと大事に思ってるから見捨てないであげて。ふふふ」
嘘でしょ?
本当に?
あの雄大がそんな事言ってたの?
確かにそんな風に思ってくれたらな、なんて思ったりもしたけれど。
…………嘘みたい。
一人で勝手に拗ねて意地を張ってた気持ちがすーっと引いていく。
なんて単純。
色褪せた花が光を浴びて輝いていく。
きっと耳まで赤くなっているであろう顔。
薫子さんに嬉しさを隠すことが出来ない。
「結婚式でカラーの花束を持つのが夢だったんです。それでお願いします」
満面の笑みで答えてしまった。
【完】