呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
お引っ越しの前に……。
少しだけ、心残りを消化したくて夜コンビニに向かう。
諦めたふりして、情けない。
こんなことをしても何も変わらないのに。
お盆の頃から何故か夜な夜なコンビニに足を向けていた。
あの始まりの日、偶然雄大と会ったあのコンビニに、あの時間。
又、会えるかもしれない。
又、一緒に歩けるかもしれない。
バカみたい。
ほら、結局最後まで会えなかった。
あの日あったおでんはまだ無い。
最後に欲しかったな。
ジュースを1つレジにおいてそんな事を思いながら惣菜コーナーを眺める。
うわ。
我ながら未練がましいなぁ。
自分の思考が怖い。
「何か要りますか?」
ぼんやりと見つめすぎたようだ。
最近毎日のようにコンビニに来ていたせいで大学生のようなこの若いアルバイト君とも顔見知りになってしまった。
「あっ、ごめん大丈夫……ねぇ、おでんっていつくらいからかなぁ」
「おでんっすか?うーん来月辺りには出始めると思いますよ」
「そっか、間に合わなかったな」
「来月楽しみにしててください」
「あー明日さ、引っ越すんだよね。だからここのコンビニは今日まで。ふふ、いつもありがとう」
「えーーーそうなんっすか、マジかぁ。あっ、116円になります」
「はい。じゃあね頑張ってね」
「お姉さん可愛かったから目の保養になって良かったのにな、残念」
「あははは、今の子ってそんなに口が上手いの?お姉さん最後にいい気分だわ」
「マジですって。あ、いらっしゃいませー」
「じゃあね、ばいばい」
「ありがとうございましたー遅いから気を付けて下さいねー」