呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。

ホールの方からピコンとメッセージを告げる音が鳴り、携帯を確認したスーツ姿の男性達がバタバタと席をたった。

レジに向かい、お会計をする。

「うーん……やっぱりどっかで会ってんだよね」

「お前まだ言ってんの?」

「ふふふっ、ありがとうございました。お気を付けてお帰りくださいね」


頭を下げて、お見送りをする。
西園寺と呼ばれた男性はまだ軽く頭を傾けていた。
それにしても……西園寺、さんね。
気になるなぁ。


「央、どうしたの?」

「あっ、うううん。何でもない」


その時は少し気になったものの、やっぱり気のせいかと私はすぐに忘れてしまった。


それから一週間ほどたち思い出したときにはもう遅かったんだ。


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