本当の君を好きになる

***



「──ここだよ。」



「へ?」


ようやく手を離してもらえたかと思うと、私は目の前に建っている建物を見て固まる。


湊くんは、ニコニコと微笑みを浮かべる。


私はそんな彼を冷たい目で見る。




「ここだよ。って、ここ湊くんの家じゃん。」



「そうだよ?文句ある?」



「いや、無いですけど……。」



あまりにも自信満々にそう言われたので、思わず敬語になって返事をしてしまった。

視線を後ろに移せば、あの公園。

泣いている私を発見された、あの公園。

私の弱さをさらけ出した、この家。




何か、その事を思い出したく無かったから、ここには当分来てなかったんだよね。


ていうか、私にも一応彼氏が出来たんだから、男の人の家に行くっていうのは……そうやって考えたら、二人で出掛ける事自体アウトなのではっ……!?


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