本当の君を好きになる
「──そんな奴らいないよ。」
「……へ?」
「──湊。」
と、その時おばあさんが湊くんに声をかける。
私たちは一緒に顔をあげる。
おばあさんの表情は、少し悲しげだった。
「もう暗いし、送っていってあげなさい。春哉も、もう十分遊んで貰ったからね。」
「……そうだね。ごめん。送るよ。」
そう言うと、湊くんは春哉くんを抱き上げて、おばあさんに預ける。
「瀬戸さん。帰ろう?」
「気を付けて帰ってね。」
おばあさんはそう言って、優しく笑ってくれる。
その笑顔に、胸が締め付けられる。
何だろう……モヤモヤして苦しい。
「──あ、あのっ!」
気づけば私は声を出していた。
「……ま、またっ……また来ても良いですかっ?」
私がそう言うと、おばあさんは目を丸くする。そして、また優しい笑顔で微笑んでくれた。
「もちろん。春哉も私も待っているわ。」
その言葉に、私は笑顔を浮かべる。
そして、湊くんと一緒に家を後にした。