本当の君を好きになる





直登は、ゆっくりと私がキスした頬に手を伸ばすと、真っ赤な顔でこちらを向く。

その目は、見開かれており、戸惑いが伝わってくる。





「……な、直登っ……い、今のは事故だよっ……!?わ、私も自分で驚いてるっていうか、なんていうか!!」




「……。」





直登は何も言わず、ただ私の目を見つめる。


顔を真っ赤に染めたままで。





「ごっ……ごめんなさいっ……!お、怒っちゃった……?」




私が、そう言った瞬間、直登は私の事をギュッと抱き締めた。




「──お前、一回黙れ。」




余裕無さげに早口でそう告げる直登。


私は、それ以上、何も言えなかった。





「──何なんだよっ……ちょっと話さない間に、何そんな技覚えちゃってんのっ……?」




「わ、技っ……!?」




「マジでふざけんな。……あー、調子狂う。」




直登はそう言って、私から離れると、自分の頭をぐしゃぐしゃとする。

俯いてはいるが、耳まで真っ赤なのが丸分かりだ。



< 191 / 308 >

この作品をシェア

pagetop