本当の君を好きになる
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私と桐谷くんは、あの空き教室に来ていた。
金曜日は、私がこの教室を汚してしまったけど、すっかり綺麗になっている。
皆がやってくれたのかな……?
桐谷くんは、1つの机に寄りかかり私の言葉を待っているようだった。
私は、大きく息を吸い込むと、彼の目を真っ直ぐ見つめた。
「……ずっと言わなくちゃって思ってたけど……遅くなっちゃった。私……桐谷くんの事が……好き……。」
「井上さん……。」
「桐谷くんは、可鈴の事が好きだからって伝えることすら諦めてた。……でもね、それじゃあ私は何一つ変われないなって思ったの。桐谷くんが誰を好きでも構わない。私が貴方の事が好きなんだよって伝える事から始めようって思ったの。」
「……ありがとう。すごく嬉しいよ。」
「……桐谷くん……私、桐谷くんの事まだ好きでいてもいいかな……?」
私がそう尋ねると、桐谷くんはニコッと笑う。
「井上さん。人を好きになるのに許可はいらないんだよ?てか、こんな俺の事好きでい続けてくれて……本当にありがとう。」
その言葉は、私の胸にじんわりと染み渡った。
桐谷くんの優しさに、目の奥が熱くなる。
「私、桐谷くんの事好きになって良かったっ……!」