今夜、きみを迎えに行く。
シュウが質問ばかりしてくるものだから、途中からはお返しに、わたしが彼に質問をした。
「シュウは何歳?」
「十八。きみよりひとつだけ歳上かな」
「シュウは好きな科目はあるの?」
「計算は得意だし、本を読むのも好きだよ。運動はあまり得意じゃない」
「大切な友達はいるの?」
「もちろん。たくさん大切なひとがいる。数えきれないくらいにね。そのなかには、もちろんアオイも入ってる」
「わたしが?今日会ったばかりなのに」
「大切なひとになるのに、時間は関係ないと思うけど」
「シュウは、好きな女の子はいるの?」
「ああいるよ。とても大切なひとだ。だけどアオイも僕の、大切なひとだよ」
「なにそれ。シュウは八方美人なの?」
八方美人と言われると、シュウは笑った。
微笑みじゃなく、本当に可笑しそうに。
わたしはシュウが笑うととても嬉しい気持ちになったし、シュウといる空間はとても心地よい場所だった。