今夜、きみを迎えに行く。




次の日からも、わたしはきちんとシュウとの約束を守って毎日一時間の早起きをした。



顔を洗って、庭の掃除と草抜きをして、朝食の準備を手伝って、毎日残さず朝ごはんを食べた。



茜と一緒に学校に行き、ちゃんと真面目に授業を受けて、喫茶ブランカに顔を出してから、毎日、祖母の病院にお見舞いに行った。

トミーさんは、わたしが祖母のお見舞いに行くためにクッキーやケーキを焼いて持たせてくれたから、わたしは祖母の病室で、母親と一緒にそれを食べた。
常連のお屋敷のおばあさんは、わたしに黙って花を持たせてくれたりもした。わたしはそれを祖母の病室に飾った。



祖母は日によって、酸素マスクを外して少しだけ、話せるときもあった。なにを話しているのかはわからないけれど、わたしや母親や父親がそこにいることはわかっているらしかった。



たまに、祖母の口の動きが「あおちゃん」と言っているように見えるときもあったけど、その先はほとんど聞き取ることはできなかった。



入院して二日目からは母親と父親が交代で祖母の病室に泊まるようになった。
わたしは変わらず、毎日家に帰って眠り、庭の掃除をして、父親か母親のどちらかと一緒に簡単な朝ごはんを食べて学校へ行った。



庭は少しずつ綺麗になって、花壇の草抜きもようやく終わったのは、シュウと約束した一週間のちょうど七日目の朝だった。





< 97 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop