純愛
された手を軽く握り返し、自分も名前を、言った。愛想が無いなと、自分でも思った。
「ごめん、嫌だった?」
彼は私を見てそう言った。まあ、今の私の顔からしたら、そう思っても仕方がない。
私は無意識に、康登を睨んでいたからだ。
「いや、元々こういうふうなんで、、、気にしないでください。」
間を置かずに康登の口が開いた。
「お前、もしかして、早良(さわら)中学の奴か?」
私は、素っ気なく頷いた。
「あー、やっぱりそうか。友達から聞いてたんだよ、無愛想すぎて、いじめられてる、可哀想な女子がいるって。そうか、お前が、、、」
康登は納得気な顔で私の事を見ている。なんせ、その康登の友達とやらは、私の事を可哀想と思っていたそうだ。それならば、いじめから救ってくれたら嬉しかったのにな。
ふと、頭に思い何かが落ちてきた。
康登に頭を撫でられていた。まるで子猫に対してやるように。
「中学では頑張れよ、俺が友達なってやる。」
上から目線なのは、少しムッとしたが、正直、嬉しかった。
「あ、ありがとう、、、」
素直に受け止めてしまう自分が恥ずかしくてたまらなかった。今の、自分の顔は、とんでもなくブサイクであろう。
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