こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
「なんだと?高校生になったくらいで大人ぶりやがって」

「裏ではがっつりケンカ三昧なくせによ」

「それも自分が悪者にならねぇように、相手と流れを選んでるっつーのが小賢しいよな」

「あったりめぇだ!ぐたぐた言われんのめんどくせぇだろ!もうサツと揉めんのだりぃんだよ!」



──ケンカだけはやめられなかった。


犯罪じみたことはしなくなった。

煙草も本数を減らした。

自分から因縁をつけたり、誰彼構わず暴力をふるうこともなくなった。


でも一人になると、どうしたって抑えきれない何かがこみ上げてくる。


だから、できるだけこの部屋にいないように、無理矢理自分が正しい位置でいられるようなケンカを探す。


自分に非があったら、またあの人に迷惑をかけてしまう。会わなければいけなくなってしまう。


周りの状況を見てから手を出すだなんて、前の俺では考えられなかった。


それでもやめられない。


ケンカをしている時が唯一、生きていることを実感できたから。


そして、死に近い場所にいられるから。

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