こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
「咲良、さっき先生に何かしたの?」

「え?何もしてないですよ」

「ガン見してたとか?」

「えっ、まさか咲良、先生のこと」
        
「はい?!あるわけないでしょうがあんなおっさん!」


勘弁してくれ!悪いけどおっさんはそういう目で見れないわ!


「おい逢川、朝っぱらからうるせーぞ」

「嬉しいだろ~森野。朝っぱらからわたしの美声が聞けて」

「勘違いもそこまでいくと痛ぇな」

「っ誰がじゃ!オモテ出ろや!」

「ぎゃははは!すげぇ顔!」

「あはは!さすが咲良!」

「咲良、今日も絶好調だね!」


──わたしの周りには自然と人が集まってくる。


クラス替えをしてもすぐにこのクラスに馴染んだ。前にクラスが一緒で離れてしまった子も、よくわたしの所に来る。


自意識過剰とかじゃない。

それを自慢したいとか、そういうのでもない。

これはただの作り物だから。


「学校の中の人気者の逢川咲良」を演じているだけだから。
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