こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

俺の初めての感情

…あいつ、今日、来るよな?

昨日は結構キレちまったけどそんなんにビビる女じゃねぇし、いつものように放課後になったら来るよな?

でもなー、来るっつー確信は持てねぇよな。昨日の場合だとどうなるんだ?来づらかったりするもんか?

ケーキ渡せって言われてんだよな。来なかったらどうすりゃいいんだよ。

俺は食わねぇし、馬鹿三人は今日退院しちまったし…。

森野は今日は来ねぇか。

つーか毎日のように来やがるから、来ねぇと無駄に気になるんだよ。あの馬鹿女。

昨日あの場を作った張本人なんだから来やがれってんだ!


──なんて勝手なことを思いながら、吸い終えた煙草を吸い殻入れに押しつけ、屋上を後にする。


また一人でうだうだ考えながら病室に向かうと、俺の部屋の前に立っている女が一人。

そいつを見た瞬間、俺の心のテンションが上がった。

でもいくら待っても逢川は入ろうとせず、深刻そうな顔をしている。


何してんだ?あのやろ…。

やっぱ気まずいのか?

……仕方ねぇな。


「いつまで突っ立ってんだよ」

「ひゃ!!」

「さっきから一人で何してんだよ」

「ふ、深瀬くん…!」


振り返り、目を大きく見開いて俺を見る。

どんだけ驚いてんだよ。いくらなんでも驚きすぎだろ。
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