完璧な彼は、溺愛ダーリン


私は震える手を背中にゆっくりと回して、彼のシャツを掴む。
瞬間、ぴくりと彼の体が動く。


カッコいいな、なんてぼんやりと考えていただけなのに。
彼の素を知ったら、気持ちがどんどんと加速して行っていた。


それに気付きたくなくて、無理矢理望くんを紹介してもらったんだ。


「俺に抱き締められて嫌じゃない……?」


今更そんな事聞かないで欲しい。
拒絶出来ない。その事実が全てを物語っているのに。


私が何も言わないでいると、彼は耳元で囁く。


「答えないと嫌じゃない、って受け取るから。その背中の手も、俺……自惚れるよ?」


葛木さんの手がゆっくりと上がっていく。頭の後ろまで到達すると、髪の毛をくしゃりと掴んだ。
彼の胸に顔を埋めながら、ぎゅうっと強くシャツを握り締める事でしか答えられない。


「……自惚れだって今更言っても、無理だよ」


囁くように言うと、彼は私の手を取り少しだけ体を離した。
それから俯く私の顔を上げさせると、ふわりと微笑む。
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