完璧な彼は、溺愛ダーリン
「ちょっと暇になって来たね。先に睦実休憩入っていいよ~」
「ありがと!お言葉に甘えて先に入ってくるね」
三十分の食事も含めた休憩時間。
栞は大体先に私を入れてくれる。
その理由はわかっている。
スパダリが帰る時間だからだ。
スパダリは夜七時半ぐらいに来て、一時間ほどで帰る。
これは私の入る前かららしい。
財布を手にすると、私はコンビニへと向かった。
駅前だから大体のお店は揃っている。
定食屋や、ファーストフードとか、牛丼屋なんかもある。
でも、大体私はコンビニ弁当。
たまーにカップラーメン。
休憩室にお湯は常備されているし。
肌寒いなあ~。もうすぐ夏なのに。
近いから上着羽織って来なかったけど、着てくればよかった。
急いで買って帰ろうっと。
早歩きでコンビニに向かい、ナポリタンを買って戻る。
と、ジムの入り口から出て来るスパダリを見つけた。
さっきまでのラフな恰好ではなく、いつも通りピシっとしたスーツを身に纏い携帯片手に歩いていた。
仕事の電話なのか、真面目な顔で通話相手と話している。
彼とバッチシ目が合ったので、私はぺこりと頭を下げた。
通話中だから声をかけずに横を通り過ぎようとしたら、突然腕をパシッと掴まれた。