完璧な彼は、溺愛ダーリン

「……」


私は言おうとした言葉を飲み込み、口を噤んだ。

ごめん、なんて言えなかった。
何を言っても私の言葉は全て言い訳にしかならない。

ぎゅうっと拳を作る。手の平に爪が食い込んで痛んだ。


「……私、栞の事大好きなんだよ。仲良くしたい。……もう無理なのかな」

「……」


栞はそう言う私を涙を拭った後の冷たい瞳で見つめた。
その視線に涙が滲みそうになって、下唇を噛んで我慢した。


腕を組んだ栞は少しだけ考え込む仕草を見せてから、こっちに再度視線を向けると口を開く。



「わかった。いいよ」

「え? 本当?」


ぱあっと私の顔に光が差し込む。
だけど、すぐに栞が続けた。


「だけど、条件がある」

「……条件?」


栞の言葉を反芻すると、私はゴクリと生唾を飲み込んだ。
ふっと笑った栞は

「葛木さんとは付き合わないで」

そう言った。

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