完璧な彼は、溺愛ダーリン


「はあっ、見つけた」

「……葛木さん、来るの早過ぎじゃないですか」

「ねえ、こんな偶然ってある? 俺、新宿にいたんだよ」

「え」


驚いた私は少し距離をとって、彼の顔を見上げる。
葛木さんは優しく目を細め、愛しいモノを見るように私を見つめていた。


「待ってた。ずっと待ってた」

「……」


そう強く言われ、胸が詰まった。


「俺を選んでくれたって思っていいんだよね? もう、何もないんだよね?」

「かつら……」


確認するように尋ねる葛木さんに答えようとするが、すぐに葛木さんの声がかぶる。


「ああ、もういいや。離さない。俺、もう離したくない。絶対に離さない」


そう言って、また私の体を強くぎゅうっと抱き締めた。
苦しいぐらいに強く。

彼の気持ちがストレートに伝わってきた。どれだけ私を好きかって。


だから、私も伝えるんだ。


こんな人混みの中。
それでも、言わずにはいられない。



「いいです。……絶対に、絶対に私の事、離さないでください」

「……っ、三石さん」


息を呑む彼に続けて言った。
私が一番、言いたかった事。


一番、彼に伝えなきゃならない事。

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