完璧な彼は、溺愛ダーリン
「葛木さんでもそうなるんですか?」
「え?そりゃなるよ。今もドキドキしてるんだから。ほら」
そう言って、葛木さんは私の手を取ると自分の胸元へと持っていく。
触れた先から感じた速い鼓動が、葛木さんの言葉が事実だという事を物語っていた。
「ね?」
「……」
優しくニッコリと微笑まれて、私は目を合わせられず俯きながら小さく頷いた。
「俺が本気だって伝わったならそれでいいよ。
じゃあ、今日は送る」
「え?」
それに目を見開き、私は彼を見上げる。
葛木さんはさっきと変わらない笑顔で私を見つめていた。
「映画ももう始まってるし、それでも俺は構わないけど…、どうせならちゃんと約束したいから」
「あ、映画」
すっかり忘れていたけれど、私は今日彼に誘われていたんだ。
デートのお誘いって。
それを無視して、加藤君と出かけていたのに。
葛木さんはそれに対して、私を責める様子はない。
「……あの、すみません…、折角誘ってくれたのにドタキャンみたいな事して」
「え?ううん。いきなりで驚いたでしょ?」
「はい、正直言うとかなり」
「来てくれないって思ってたし、ダメ元だったから。それでも、ほんの僅かな可能性にかけてたというか。
例え来なくたって、諦めるつもりはなかったけどね」
それから、葛木さんはへへって照れ臭そうに笑う。