完璧な彼は、溺愛ダーリン

早々に私服に着替えてから帰路についた私は、ぼんやりと昨日の事を考えた。

真剣な葛木さんの顔と口調。


“君を好きだって気持ちなら誰にも負けないよ”


果たして今まで付き合った男性にこんなセリフ言われた事あっただろうか。
片手で収まるぐらいの人数と過去に付き合ったけれど、こんなにハッキリ言えるほど好きだっただろうか。


告白されて付き合ったけど、結局数ヶ月で別れる事が多い。
イメージと違ったとか、話が合わないとか。

そんなのばかり。
私は何も変わらないし、その原因が理解出来なかった。


だから、胸がときめいてしまったのかもしれない。
だって理想的だ。
きっと女の子なら一度は憧れたのではないだろうか。


王子様みたいな、カッコよくて、優しくて、自分だけを愛してくれる存在に。


成長していくにつれ、そんな人はいないのだと気付いてしまうのだけど。
そして理想の恋から、現実的な恋を見始めてしまう。


そこそこに好きで、そこそこに安定していて、真面目ならいいんじゃないかなって。
きっと私はそれで満足していると思う。

高望みはしない。


予想外の展開にときめいただけ、だよね。多分。
確かに感じた胸のときめきを私はそう納得させた。
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