完璧な彼は、溺愛ダーリン
「色々不自然過ぎ」
「そ、そうかな。あはは」
確かに上村さんにも不審がられた。
「嘘つけないよね。三石って」
「え」
「何かありましたって顔に書いてある」
「嘘!?」
慌てて両手で頬をペタペタと触る。と、隣から突っ込みが入った。
「誘導尋問にも簡単に引っ掛かるし」
「……」
しまった。そうか。自ら何かありましたって告白している様なもんか。
てか、さっきから自然にしよう。自然に。と思えば思うほど、自然って何だっけ?ってなって、こんなザマだ。
「俺、知ってるよ」
「え? 何を」
「栞がスパダリに連絡先聞くっての」
「え!?」
淡々とそう言った加藤君は、笑うでも悲しそうな顔をするわけでもない。
至って普通のテンションで、こっちが驚いちゃうよ。
「俺、相談受けてたし」
「相談!? って、え。恋愛の?」
口振りからそれ以外考えられないけど、私は確認をした。
だって、そんなの辛いだけじゃないか。
「そ。元々脈なしなのわかってたし。飲みの席で突然話されてさ。
まあ、うーん。成り行き?」
「成り行きって」
やっぱり加藤君は普通のテンションだ。
どうしてこうも平然としていられるのだろう。