死神女子高生!
さっと視界が開けたみたいな爽快感がやってきて、その後事の重大さを理解し絶句するあたしに、幽霊はしっかりしてくださいと慌てて視界をさえぎるように手を振る。

「まだ会ってもない内にそんなことでどうするんですか」

そうは言うけど、あたしは昨日まで本当に普通の生活をしてきたんだよ?

霊感なんかないから幽霊すら見たことなかったし、暗殺者に狙われることもない、ごく平凡な一日本国民として。

「わるい冗談も大概にしてよぉ…」

あたしは車のサイドガラスに首から上の体重を預けて、泣きそうになった。
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