強引部長の独占ジェラシー
切なく笑った後、いつもみたいにおどけてみせる。
「だって俺のアピールこれからじゃん?俺の伸びしろは計り知れないよ」
「ふふっ、何それ」
気まずくならないように配慮してくれたんだろう。河原くんは、再びお弁当に手をつけると、いつも通りのたわいのない会話に切り替えた。
いいのかな、と思う反面どこかで安心している自分がいる。
人との関係が崩れるのは怖い。河原くんは私が仲良くしている唯一の同期だから。
お互いに昼食を取り終わると、私たちはエレベーターのエントランスで別れた。
河原くんはこれから外回りらしい。
「じゃあまたな」
「うん」
エレベーターに乗り込む河原くんを見送り、私も自分のオフィスに向かおうとした。
その時。
「川島、」
ーードキン。
部長に声をかけられた。
振り返っても、全然目を見ることが出来ずドキン、ドキン、と煩く鳴り出す心臓を意識せずにはいられない。
「昨日のことだが……」
ひゅっ、と喉が鳴りかける。
どうしよう、何か言わなきゃ。
緊張がピークに達した時、突然聞こえて来た高い声に我に返った。
「川島さ〜ん!」
私を呼んだのは石原さんだった。