強引部長の独占ジェラシー
「あっ、と……すみません。お話中でしたか?」
私たちの状況を見てそう尋ねると部長は言う。
「いや、大した用じゃない。それより石原、その手元にある書類……お前また川島に仕事を任せようとしてないだろうな?」
「いやだな、部長。分からないところがあるから聞くだけですよ」
「そうか、じゃあよろしく頼んだぞ」
部長は頷きながら返事をすると、くるりと背中を向けて歩き出した。
……行っちゃった。
大したことじゃないって言ってたけど、きっと昨日のことだよね。部長はなんて言おうと思ったんだろう。
ぼーっと、部長の去っていった後を見つめていた時。
「川島さん!」
石原さんに声をかけられて、慌てて視線を逸らした。
「大丈夫ですか?」
「あ、うん……平気。聞きたいことあったんだっけ?」
「はい。ここのマークの付け方なんですけど」
「あーなるほど。じゃあオフィスに戻ってからパソコンで教えるね」
「ありがとうございます」
彼女は笑顔でお礼を言うと、「川島さんはいいな〜」なんて呟いた。
「何がいいの?」
「だって、部長が心配してくれるじゃないですかぁ〜」
「私、心配……されたっけ?」
「部長が言ってましたよ〜川島さんは、自分が抱えきれない仕事でも、他人から頼まれれば無理してやろうとするタイプだからって。羨ましいな〜」