強引部長の独占ジェラシー
な、なに……!?
部長の突然の行動にびくり、と身をすくめる。すると、部長は私の耳元に顔を近づけると囁くような声で言った。
「甘めぇよ、川島。
俺の欠点が知りたいなら、もっと立派なメリット持ってくるんだな」
ガコンー。
私のすぐ後ろで缶が落ちる音がする。
音のする方を辿るように振り返れば、そこには缶のゴミ入れがあった。
ーードキン、ドキン、ドキン。
私の中で心臓が繰り返し音を立てる。
部長はただ、飲み終わったコーヒーの缶をゴミ箱に入れただけだった。
それなのに、この心拍数。なんて心臓に悪いんだ……。
時を止められたように動けなくなってしまった私は、部長が背中を向け歩き出す姿をただ見ていることしか出来なかった。
『甘めぇよ、川島。
俺の欠点が知りたいなら、もっと立派なメリット持ってくるんだな』
「あんなしゃべり方もするんだ……」
初めて聞いた部長の少し崩れた言葉。
なんだかいつも見られない一面を見られたみたいで嬉しかった。
「緊張、した……」
私がポツリとつぶやいた言葉はその時、誰にも拾われることは無かったーー。