強引部長の独占ジェラシー
昼食を済ませると、午後は午前中保存しておいたデータを呼び起こして続き行った。
新規のキャラクターデザインを決め、服装の指定や表情などを付けていく作業だ。
外部から送られて来たキャラの特徴や性格を見て一番合う衣装を選んだり、一から作ったりする。
それが私の仕事。
じっとパソコンを見て色を照らし合わせていると、鈴村さんが私の肩を叩いた。
「川島さん、部長が呼んでる」
「部長が、ですか?」
なんだろう……。
今まで業務中に呼び出されることはほとんどなかったから緊張してしまう。
そもそもデザイン部は部長と関わる機会が極端に少ない。
悪い呼び出しじゃないといいけど……。
私はそんな不安を抱えながら部長のいるオフィスに向かった。
「失礼します」
コンコンとノックをして、部屋に足を踏み入れると部長は上着を羽織っているところだった。
「ああ、川島か。これから大井雑誌の編集長に挨拶に行くんだが今、電話があってな、お前に会いたいらしい。行けるか?」
大井雑誌?
「あ、はい……」
「タクシー呼んであるから、今から10分後にエントランスで」
意味も分からぬまま返事をして、自分のデスクに戻る。
どうして大井雑誌が私を呼び出し?
大井雑誌は私がいつもデザインを担当している出版社だ。
ただ直接会ったのは最初の打ち合わせのみで、後はほとんどがメール連絡での作業だった。
それが直接行って、ましてや編集長に会うなんてどういうこと……?
パソコンの電源を落として、上着を着ると鈴村さんが私に話しかけてきた。
「外出?」
「あ、はい……部長に言われて大井雑誌社に……」