強引部長の独占ジェラシー


疑問に思った私が振り返ってみると、そのグラスを持っていったのは外から戻って来た部長だった。


「部長!」


私が声をかけると、持ったグラスを口につけグイグイと飲んでいく。喉仏が呼吸をするようにゴク、ゴクっと音を立てると部長はグラスの中身を一気に飲み干した。


「な……っ!」


空になったグラスを男の目の前に置く。
そしてその男の前に余裕の笑みを見せつけながら言い放った言葉は周りのどんな人でもクラっとさせるものだった。



「酒で酔わせてでしか、女を口説けない男はモテんぞ?」

「っ、」


ーードキ、ドキ、ドキ。


すごい言葉を聞いてしまった気がしる。ドクドクと脈拍がいつもより早いのは、きっとアルコールのせいではない。完全に目の前にいる部長のせいだ。

そんな言葉を聞いた男は負けを悟ったかのように顔を真っ赤にして「うるせぇよ」と暴言を吐いて店を出て行った。

ああ、もう。
なんでこんなにカッコいいんだろう……。


「あの、ありがとうございます」


私がお礼を言うと、部長は顔色ひとつ変えることなく言った。


「川島、不本意に飲むな。ああいうヤツがおススメだと飲ませる酒は大抵強いものだ」


そ、そうだったんだ……。
信じて飲んでいたら大変なことになっていたかもしれない。






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