強引部長の独占ジェラシー
少し残念に思いながらも、まぁ、そうだよね。と自分を納得させた。
一瞬でも優位に立ったような気持ちになった自分が恥ずかしい。
「川島、」
すると、部長は私との距離を詰めた。
1歩、1歩、歩いてくる動作がスローモーションのように感じて息をのむ。
「な、なんでしょう」
そしてぴたり、と足を止めると、部長が真っ直ぐにこっちを見て来た。
胸が鳴る。
「っ、」
どくん、どくんと響く心臓はまるで周りの時が止まったかのように鮮明に聞こえて来た。
「お前のそういうところ、俺は割と好きだぞ」
そして、小さく落とされた言葉。
「え……」
まさか、部長の口からこんな言葉が出てくるなんて思ってもみなくて、私は真っ赤になった顔を隠すことすら出来なかった。
「照れたか?川島」
意地悪に聞いてくる部長。
「ち、違います!」
そうやって誰が見ても分かる嘘で否定すれば、部長は優しく笑って言った。
「さっきの仕返しだ。そろそろ帰るぞ」
仕返し……。
歩き出した部長の後ろで熱を持つ頬に手のひらを当てて冷ます。
ズル、い。
そんな仕返し、敵うわけないのに……。
私は先を行く部長の背中をぼーっと見つめていた。