守りたい、不器用な人。～貴方と始める最後の恋～
今日は休みの予定ではなかった。
それなのに何故。
その疑問を晴らすように大将は私と山瀬さんを交互に見た。


「山瀨の引っ越し準備とか色々やる事はあるだろう？」

「あー……確かにそうですねー……でもミサキさんに迷惑を掛けるわけには……」

「馬鹿野郎！　お前らはバディだろ！　暫くは仕事も同じ時に入ってもらう。
海咲、後輩の面倒はちゃんと見ろよ！　引っ越しの手伝いもその一環だ」


戸惑う山瀨さんとは対照的に大将は当たり前だというように頷いていた。


「分かりましたよ！　まあ手伝いくらいならいくらでも」


手伝いはいいとしてバディって何だ。
苦笑い気味に大将を見たけれど豪快に笑うその姿を見たら何も言えなくなってしまう。
山瀨さんは山瀨さんで申し訳なさそうに私を見ているし。


「すみません……」

「いえ、気にしないでください！　仲間じゃないですか」

「仲間……ありがとうございます」


少し複雑そうな顔をしたがすぐに笑顔を浮かべてくれる。
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