守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「でも……俺は嬉しかった」

「えっ……」


思わず顔を向けてしまう。
目に映ったのは山瀨さんの真剣な目。
その目つきに顔がそらせなくなる。


「例え誤解でも、君と恋人になれて……」

「……」

「ま、まあ本当になった方が嬉しいんですけどね!」

「山瀬さん……」

「俺は……幸せ者です。こんなにも大好きな人に出会えたから」


そう言って柔らかい笑顔を浮かべた彼。
それと同時に辺りが暗くなる。

お互いの顔が見えづらくなったが……。
私にとっては助け船のようなものだった。

だって……。

信じられないくらい……顔が熱くなっているのだから……。
< 195 / 297 >

この作品をシェア

pagetop