守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「あの男……カズちゃんに足引っかけたぜ」

「わざとって事かよ……」


常連のお客様たちの内緒話が耳に入ってくる。

何それ……。
信じられない。

お客様とはいえ、そんな勝手なことが許されるわけ無い。

奥歯を噛みしめて拳を握りしめる。
大将やチーフには迷惑を掛けてしまうかもしれない。

それでも、我慢なんて出来ない。


「恐れ入りま……」

「いい大人が恥ずかしくないのか?」


私の言葉より一歩先を行く低い声。
大将でもチーフでも無いその声はいったい……。
そちらを見れば1人の男性が目に映る。

その瞬間に頭の中が真っ白になっていく。
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