守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「……中学時代の先輩です」


私が幼いながらに真剣に愛した人。
高校3年の、あの出来事があってからずっと逃げてきて……。
何年ぶりの再会。
会いたくなんて無かった。


「ミサキさ……」


山瀨さんの心配そうな顔が目に映る。
大将もチーフも私の過去はそれとなく知っている。
だから気が付いてしまったのかもしれない。
私が恋愛をするのが怖くなったきっかけの先輩が、この人だって事に。


「あっ……」


急に怖くなっていく。
信じてきたこの場所が、大将やチーフ、山瀨さんが……。
離れていってしまうのでは無いか。

拓海先輩みたいに私を騙していたのでは無いか。

そんなことあるはずなんか無いのに……。
疑心暗鬼になってしまうのは、拓海先輩が私にとっては大きい存在だったから。
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