守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「無理して笑わないでください。
辛い時は辛いって言っていいんです。ミサキさんは頑張りすぎですよ」


もし他の人から同じ言葉を言われても素直に受け取れなかったかもしれない。
だけど、山瀨さんに言われたら……。


「……私……」

「……はい」

「もう……どうしたらいいか分からないんです……」


今まで押し閉じ込めていた想いが一気に溢れ出てきてしまう。
我慢していた涙がゆっくりと頬を流れる。


「……ミサキさん」

「ずっと大好きだった。あの人といると些細な事でも嬉しくて。
ただ……一緒にいるだけで幸せだったんです」

「……」


山瀨さんは何も言わず黙ったまま背中を撫でてくれる。
その温もりが優しくて止まること無く口が動いていく。


「でも、告白が罰ゲームだって知った時、全てが信じられなくなった。
彼との今までの時間も、彼の優しさも、全部。
だから私はやめたんです。誰かを信じることも、好きになることも!
……だけど……」


そうすれば傷つくことも、悲しむことも無い。
最初から期待なんてしなければ落ち込むことも無い。
そうやって生きようと思っていた。


「だけど……?」


その先の言葉を言うのが怖かった。
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