守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「デートって……ゲームセンターですか……?」


意外な場所に目を瞬かせる。
拓海先輩がゲームセンターって不思議な感じがする。

似つかない雰囲気に笑っていれば睨まれる。


「……あの日、行く予定だっただろう」

「……あっ……」


その言葉に小さく声を漏らした。

私たちが別れることになったあの日。
本当は普通にデートしていたもんな。
まさか、別れるなんて思っても無くて……。


「そんな顔するな」

「だって……」

「今お前が隣にいる。それだけで幸せだ」

「……」

「……ほら行くぞ」

「……うん」


手を引かれたのはクレーンキャッチャーの前だった。
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