守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
***
「……今日はありがとうございました。久しぶりに拓海先輩と出かけられて……」
「……花蓮」
帰り道、お礼を言おうと口を開くが先輩によって遮られる。
少し重たい声に驚きながらもそちらを見れば真剣な瞳が私を捕らえていた。
「拓海……先輩……?」
「……昨日はゆっくりでいいと言ったが……実はあまり時間が無いんだ」
「え……」
「……2人でやり直そうって話」
「ああ……でも時間が無いって……」
話の内容が内容なだけに少し俯いてしまう。
だけど、時間が無いという言葉に引っかかり尋ねれば言いづらそうに言葉を詰まらせていた。
数秒ほどの間があった後、決心したかの様に先輩の手が私の頬へと触れる。
「……俺は来週、海外に飛ぶ」
「え……」
「転勤になったんだ、NYに」
「にゅ、NYって……」
想像もしていなかった展開に目を見開かずには居られなかった。
今目の前に居る人が、遠くに。
しかも海外に行ってしまうなんて……。
信じられない……。
「……今日はありがとうございました。久しぶりに拓海先輩と出かけられて……」
「……花蓮」
帰り道、お礼を言おうと口を開くが先輩によって遮られる。
少し重たい声に驚きながらもそちらを見れば真剣な瞳が私を捕らえていた。
「拓海……先輩……?」
「……昨日はゆっくりでいいと言ったが……実はあまり時間が無いんだ」
「え……」
「……2人でやり直そうって話」
「ああ……でも時間が無いって……」
話の内容が内容なだけに少し俯いてしまう。
だけど、時間が無いという言葉に引っかかり尋ねれば言いづらそうに言葉を詰まらせていた。
数秒ほどの間があった後、決心したかの様に先輩の手が私の頬へと触れる。
「……俺は来週、海外に飛ぶ」
「え……」
「転勤になったんだ、NYに」
「にゅ、NYって……」
想像もしていなかった展開に目を見開かずには居られなかった。
今目の前に居る人が、遠くに。
しかも海外に行ってしまうなんて……。
信じられない……。