守りたい、不器用な人。～貴方と始める最後の恋～

「だからどうしても花蓮を見つけたかった」

「何で……」

「何でって……馬鹿」


いきなりの暴言にも反応できないほど混乱状態に陥っている。
そんな私を知ってか知らずか分からないが先輩は大きくタメ息を吐いた。


「お前が好きだからに決まってるだろう？」

「っ……」


あまりにも真っ直ぐな告白に言葉が出ない。
息をのむことしか出来ずにいれば拓海先輩は頬に触れていた手をそっと肩へと滑らしていく。

そして、腕をつたり、手へとおりてくる。


「花蓮、一緒に着いて来て欲しい」

「えっ……」


そっと左手を掴むと、先輩は滑らせるように何かを嵌める。
左薬指に感じる僅かな冷たさに驚いて視線を向ける。

そこにはピンクの光を放つ指輪があった。