守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「人を信じたく無くなったお前が……恋なんてしないと意地を張っていたお前が……。
また誰かを好きになるなんて……成長したんだな……」


何故か涙ぐみながら大将は何度も頷いていた。

きっと、思うところが多々あるのだろう。
散々、心配を掛けてきたんだ。

あの頃の私はとにかく暗くて……。
誰にも心を開こうとはしなかった。
それを無理矢理こじ開けたのが大将とチーフだった。


「……チーフ……」


彼のことが急に頭に浮かんだ。

ずっと前からチーフにはお世話になっている。
彼の優しさに助けられてきた。

それなのに……。
私はチーフの想いを……。


「そんな顔させたくて……アイツは想いを告げたわけじゃ無い」

「え……」

「水沢は……お前に感謝してるだろうよ」

「感謝……?」

「ああ」


1つ頷くと大将は目を閉じた。
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