本日も晴天
「そう・・・かな、僕にもできるかな?陸上」


僕の言葉を聞いた彼は、言葉を発する代わりに大きく頷いた。

気持ちがいいくらい、嬉しそうな笑顔と共に。


こうして僕は陸上部に入部してしまったのである。

女性の存在
自分のヘタレ
やる気のなさ

深く絡まった糸をほどくほどに難しかった部活への思い。

そんな糸を、ほどくのではなく、彼はあっさりとハサミで切ってしまったのである。

森田源

陸上部に入部した6月の出来事であった。
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